1910年、“アグネス・ゴンジャ・ボヤジュ”として生まれた彼女は18歳で修道女会に入りインドに赴き、“テレサ”という名の下に修道女となる。1946年のある日、シスター・テレサは『病人や死にゆく人、飢えた人、服や家のない人の世話をしなさい。最も貧しい人々への神の愛を実践するのです』という召命を聞いたと言う。その声に従って修道女会を出、コルカタ(カルカッタ)のスラムで人種も宗教も超えて活動を始めた彼女の行いは徐々に広がり、遂には世界的な支持を集めていく。敬愛を込めて“マザー”と呼ばれるようになった彼女は、1979年ノーベル平和賞を受賞。その後も、インドだけでなく世界各地で精力的に活動を続けた末、1997年9月5日、その生涯を終えた。インド政府はその葬儀を異例の国葬として執り行い、全世界が「母」の他界を悲しむと共にその遺志を継ぐことを誓った。世界中で最も尊敬された女性、それがマザー・テレサだった。
2007年、マザー・テレサの没後10周年に際し、その姿を最も克明に記したドキュメンタリー「マザー・テレサ:母なることの由来」(1986年製作)のデジタル復刻版、そして新作「マザー・テレサ:母なるひとの言葉」を記念公開。「母なることの由来」はアメリカABCテレビのプロデューサー/脚本家として数々の作品を手掛けたアン・ペトリと妹のジャネット・ぺトリが5年間に渡りマザー・テレサの活動を追った貴重な記録映像。同製作陣による「母なるひとの言葉」はインド政府による国葬の模様を軸に、生前のマザーが自ら語る言葉を記録した映像と、その言葉を継ぐ者たちの証言で構成された意欲作だ。